研究室のメンバー(2024年度)

<教員>

外山 美樹(教員)

略歴:

 1993年4月 筑波大学第二学群人間学類 入学

 1997年3月 筑波大学第二学群人間学類 卒業

 1997年4月 筑波大学大学院博士課程心理学研究科心理学専攻 入学

 2000年5月 筑波大学大学院博士課程心理学研究科心理学専攻 退学

 <2003年2月 博士(心理学)(筑波大学,博乙第1906号)


職歴:

2000年6月~2002年9月 筑波大学研究協力部研究協力課 文部技官

2002年10月~2003年2月 筑波大学生命・情報等教育研究支援室 文部科学技官

2003年3月~2003年3月 筑波大学助手 心理学系

2003年4月~2006年3月 日本学術振興会特別研究員(PD)

2007年4月~2008年3月 国立大学法人鹿屋体育大学体育学部 講師

2008年4月~2011年9月 国立大学法人筑波大学大学院人間総合科学研究科 准教授

2011年10月~2022年5 国立大学法人筑波大学人間系 准教授

2022月~現在    国立大学法人筑波大学人間系 教授

2014年4月~現在    教育テスト研究センター(CRET) 連携研究員


その他非常勤講師歴: ※集中講義も含む

河村学園女子大学,流通経済大学,東京成徳大学,横浜国立大学,東洋大学


所属学会:

 日本心理学会,日本教育心理学会,日本社会心理学会,日本パーソナリティ心理学会,日本発達心理学会,日本スポーツ心理学会,Society for Personality and Social Psychology (SPSP)


受賞歴:

・日本心理学会第84回大会学術大会優秀発表賞受賞

清水登大・長峯聖人・外山美樹 (2020). 非1人称セルフトークが自己制御に及ぼす影響―制御焦点を調整変数として― 日本心理学会第84回大会発表抄録集, 558.

・日本心理学会第84回大会学術大会優秀発表賞受賞

湯立・外山美樹・三和秀平・長峯聖人・海沼亮・相川充(2020).誘惑対処方略の有効性における学業目標の重要度と困難度の影響―日誌法による検討― 日本心理学会第84大会発表抄録集,200.

・日本教育学会「2018年度優秀論文賞」受賞

外山美樹・湯立・長峯聖人・黒住嶺・三和秀平・相川充 (2018). 制御焦点が学業パフォーマンスに及ぼす影響-学習性無力感パラダイムを用いた実験的検討- 教育心理学研究, 66, 287-299.

・日本心理学会第82回大会学術大会優秀発表賞受賞

外山美樹・湯立・肖雨知・長峯聖人・三和秀平・相川充 (2018). 防止焦点は認知資源の温存効果に優れているのか? 日本心理学会第82回大会発表論文集,688.

・日本パーソナリティ心理学会第25回(2016年)優秀大会発表賞

外山美樹 (2016)  楽観性が代替的な目標の抑制に及ぼす影響 日本パーソナリティ心理学会第25回大会発表論文集, 55.

・日本パーソナリティ心理学会第24回(2015年)優秀大会発表賞

三和秀平・外山美樹 (2015) 努力承認評価が内発的動機づけに与える影響の検討―正答数と解決不可能課題後の動機づけに着目して― 日本パーソナリティ心理学会第24回大会発表論文集, 134.

・平成27年度日本スポーツ心理学会最優秀論文賞

  有冨公教・外山美樹 (2015). 日本人アスリートの競技中に生じる思考の構造および発生傾向の検討 スポーツ心理学研究,42,1-14.

・日本パーソナリティ心理学会第16回(2007年)優秀大会発表賞

外山美樹・市原学 (2007). 防衛的悲観主義者,方略的楽観主義者の学業成績の向上に関する研究-認知的方略尺度を作成して- 日本パーソナリティ心理学会第16回大会発表論文集,56-57.

・日本パーソナリティ心理学会第14回(2005年)優秀大会発表賞

外山美樹 (2005). 小学生のストレス反応の変化に及ぼすポジティブ・イリュージョンの影響 日本パーソナリティ心理学会第14回大会発表論文集,185-186.


獲得外部資金:※研究代表者のみ記載

・2023年度~2026年度 科学研究費補助金(基盤研究C)

  「創造性を向上させる介入プログラムの開発

・2019年度~2022年度 科学研究費補助金(基盤研究C)

  「制御焦点とパフォーマンスの関連-他者の影響に焦点を当てて-」

・2016年度~2018年度 科学研究費補助金(基盤研究C)

  「楽観性と目標達成の関連-目標追求の仕方に焦点を当てて-」

・2013年度~2015年度 科学研究費補助金(若手研究B)

  「楽観性が適応的結果に結びつくメカニズムの検討」

・2010年度~2012年度 科学研究費補助金(若手研究B)

  「オプティミズムがパフォーマンスに及ぼす影響-防衛的悲観主義との比較から-」

・2008年度~2009年度 科学研究費補助金(若手研究 (スタートアップ))

  「偏った自己認知における情報処理メカニズム」

<大学院生>

浅山 慧(D3

研究テーマ自己連続性に関する研究  

研究内容 :自己連続性(self-continuity)は,過去・現在・未来において自己が同一の存在としてつながっているという感覚を意味する概念である。先行研究では,自己連続性が自己制御や精神的健康に影響を及ぼすことが示されており,介入研究も行われている。一方で,自己連続性には,自己の安定性や物語性といった異なる観点からの捉え方が存在するものの,その違いについての検討は少ない。そこで,私は自己連続性に対する捉え方の違いに注目し,自己連続性にはどのような機能をもった側面があるのかを研究することで,自己連続性に対する効果的な介入方法について検討したいと考えている。

研究業績 :

(第一著者)

Asayama, A., Nagamine, M., Kainuma, R., Tang, L., Miwa, S., & Toyama, M. (2024). The effect of episodic future thinking on learning intention: Focusing on english learning goal-relevant future thinking in university students. Japanese Psychological Research. https://doi.org/10.1111/jpr.12496  

浅山 慧・外山 美樹 (2022). 自己連続性についての概念整理と研究の展望 筑波大学心理学研究,60,9-20. http://hdl.handle.net/2241/0002003315  

浅山 慧・越 良子 (2021). 高校生における可能自己の活性化が学習意図に及ぼす影響 , 教育心理学研究,69 (3), 268-280. https://doi.org/10.5926/jjep.69.268 

(第二著者以降)

長峯 聖人・湯 立・三和 秀平・海沼 亮・浅山 慧・外山 美樹 (2022). スケジューリングスタイルと日常における目標追求との関連――TSQ日本語版を作成して―― 心理学研究, 94 (1), 65-75. https://doi.org/10.5926/jjep.70.19 

海沼 亮・長峯 聖人・湯 立・三和 秀平・浅山 慧・外山 美樹 (2022). 中学生における教師からの欲求支援行動と学習行動との関連――制御焦点に着目して―― 教育心理学研究, 70 (1), 19-34. https://doi.org/10.5926/jjep.70.19 

外山 美樹・長峯 聖人・浅山 慧 (2022). 人は努力をどう捉えているのか――努力についての信念尺度の作成―― 教育心理学研究, 70 (1), 19-34. https://doi.org/10.5926/jjep.70.19 

・Toyama, M., Nagamine, M., Tang, L., Miwa, S., & Asayama, A. (2022). Is the nonlimited resource theory of willpower adaptive? A self-control perspective. Personality and Individual Differences, 188, 111442. https://doi.org/10.1016/j.paid.2021.111442

三和 秀平・長峯 聖人・湯 立・海沼 亮・浅山 慧・外山 美樹 (2021). 身近な役割モデルの存在と英語学習の関連――制御焦点に着目して―― パーソナリティ研究, 30 (2), 49-51. https://doi.org/10.2132/personality.30.2.1 

シンポジウム :

外山 美樹・長峯 聖人・三和 秀平・湯 立・浅山 慧・小林 正法・石井 僚(話題提供) (2023). 未来を想像して,動機づけを高める――未来志向的な想像が目標追求を促進するとき―― 日本心理学会第87回大会

など

researchmap :

 https://researchmap.jp/AkiraAsayama



清水 登大(D3)

研究テーマアスリートの動機づけとパフォーマンス,メンタルヘルスに関する研究 

研究内容アスリートは過酷な競争環境下で,常に高いパフォーマンスが求められると同時に,メンタルヘルスに問題をきたしやすいことが知られている。そのため,アスリートのパフォーマンスとメンタルヘルスの両側面を踏まえた支援方法を明らかにしていく必要がある。そこで私は,近年動機づけ理論として有力視されている制御焦点理論(regulatory focus theory)に着目し,個人の制御焦点に合った方法を用いてアスリートに効果的な支援を提供することを目的とした研究を行っている。 

研究業績

(第一著者)

2.清水 登大・長峯 聖人・外山 美樹 (2021). 非1人称セルフトークが自己制御に及ぼす影響――制御焦点を調整変数として―― 教育心理学研究, 69(3), 229-240. https://doi.org/10.5926/jjep.69.229 

1.清水 登大 (2021). 新型コロナウイルス感染症流行がもたらす大学生アスリートへの心理的影響―聞き取り調査から― 大学のメンタルヘルス, 4, 124-127. 

(第二著者以降)

2.外山 美樹・清水 登大・長村 圭吾 (2024). 目標追求時の困難な経験に対する信念尺度の開発 心理学研究, 95(1), 33-43. https://doi.org/10.4992/jjpsy.95.22226

1.秋山 海登・清水 登大・亀口 憲治・杉江 征 (2024). 楽観的帰属様式が大学適応感に及ぼす影響 筑波大学心理学研究, 62, 57-64.

学会発表

(第一発表者)

9.Shimizu, T. & Hatto, K. (2024). Using psychological network approach to support athletes: A practice with college tennis players. Association for Applied Sport Psychology 2024 Asia-Pacific Regional Conference, Oral presentation No.3. (Tachikawa, Japan, August 3-4, 2024)

8清水 登大・外山 美樹 (2023). 競争場面における相対成績と競争段階が動機づけに及ぼす影響ー制御焦点に着目して 日本スポーツ心理学会第50回大会, 口頭発表, 52-53.(2023年9月29日-10月1日)

7清水 登大・長村 圭吾・外山 美樹 (2023). 人は目標追求時の困難な経験をどう捉えているのか(3)ー困難な課題への粘り強さに着目してー 日本心理学会第87回大会発表抄録集, 1A-083-PM.(2023年9月15-17日)

6清水 登大・外山 美樹 (2023). なぜグリットの高い人は困難な課題に粘り強く取り組めるのか?(2)ー有益性信念に着目してー 日本パーソナリティ心理学会第32回大会, P4-6.(2023年9月9-10日)

5Shimizu, T. & Toyama, M. (2023). Effects of temporary standing, competition phase, and regulatory focus on competitor motivation. the 15th Biennial Conference of the Asian Association of Social Psychology, Poster presentation No.103. (Hong Kong, China, July 13-15, 2023)

4清水 登大・外山 美樹 (2022). アスリートの制御焦点とバーンアウトの関連 日本スポーツ心理学会第49回大会, 口頭発表.(2022年9月30日-10月2日)

3清水 登大・外山 美樹 (2022). 競技スポーツ版制御焦点尺度の作成および信頼性・妥当性の検討 日本心理学会第86回大会発表抄録集, 3EV-093-PR.(2022年9月8-11日)

2.清水 登大・杉江 征 (2021). アスリートの目標志向性に関する予備的検討――制御焦点の観点から―― 日本心理学会第85回大会発表抄録集, 222.(オンライン開催:2021年9月1-8日)

1.清水 登大・長峯 聖人・外山 美樹 (2020). 非1人称セルフトークが自己制御に及ぼす影響――制御焦点を調整変数として―― 日本心理学会第84回大会発表抄録集, 558.(オンライン開催:2020年9月8日-11月2日)

(第二発表者以降)

4大澤 かりん・清水 登大・外山 美樹 (2023). サブゴールは動機づけを高めるのか?――進捗モニタリングの参照点に着目して―― 日本心理学会第87回大会発表抄録集, 1B-089-PM.(2023年9月15-17日)

3長村 圭吾・清水 登大・外山 美樹 (2023). 人は目標追求時の困難な経験をどう捉えているのか(2)ー目標の達成が困難になった際の対処方略に着目してー 日本心理学会第87回大会発表抄録集, 1A-082-PM.(2023年9月15-17日)

2.外山 美樹・清水 登大・長村 圭吾 (2023). 人は目標追求時の困難な経験をどう捉えているのか(1)ー困難な経験に対する信念尺度の作成ー 日本心理学会第87回大会発表抄録集, 1A-081-PM.(2023年9月15-17日)

1.大澤 かりん・清水 登大・外山 美樹 (2023). 目標追求の高進捗段階で動機づけを高めるには?――サブゴールと進捗モニタリングが及ぼす影響―― 日本パーソナリティ心理学会第32回大会, P4-23.(2023年9月9-10日)


受賞歴等

5公益社団法人日本心理学会学術大会優秀発表賞, 2024年1月18日

   大澤 かりん・清水 登大・外山 美樹 (2023). サブゴールは動機づけを高めるのか?――進捗モニタリングの参照点に着目して―― 日本心理学会第87回大会発表抄録集, 1B-089-PM.(2023年9月15-17日)

4日本パーソナリティ心理学会第32回大会優秀大会発表賞, 2023年12月27

大澤 かりん・清水 登大・外山 美樹 (2023). 目標追求の高進捗段階で動機づけを高めるには?――サブゴールと進捗モニタリングが及ぼす影響―― 日本パーソナリティ心理学会第32回大会, P4-23.(2023年9月9-10日)

3筑波大学大学院人間総合科学学術院総代, 2022年3月

2筑波大学大学院人間総合科学学術院長賞, 2022年3月

1公益社団法人日本心理学会学術大会優秀発表賞, 2020年10月20日

清水 登大・長峯 聖人・外山 美樹 (2020). 非1人称セルフトークが自己制御に及ぼす影響――制御焦点を調整変数として―― 日本心理学会第84回大会発表抄録集, 558.(オンライン開催:2020年9月8日-11月2日)

研究助成・支援金等

4令和5年度筑波大学海外留学支援事業「はばたけ!筑大生」採択, 2023年4月

3令和4年度日本学生支援機構大学院第一種奨学生「特に優れた業績による返還免除」採用時内定, 2023年4月

2つくばスカラシップ研究奨励奨学金, 2022年3月

1JST次世代研究者挑戦的研究プログラム, 採用期間2022年4月-2025年3月 


取得資格:公認心理師,臨床心理士,スポーツメンタルトレーニング指導士,Non Violence Projectトレーナー


臨床歴:教育支援センター,学生相談,児童養護施設,アスリートの心理サポート(T1インドアテニススクール,筑波大学体育会硬式庭球部) など

教育歴:専門学校『コミュニケーション論』,『カウンセリング』

スポーツ指導:つくばテニス科学センター テニスコーチ,CSJつくばテニスガーデン 代行コーチ

                                            など


連絡先:s2230346(at)u.tsukuba.ac.jp  ※(at)を@に置き換えてください。 お気軽にご連絡ください。

長村 圭吾(D1)

究テーマ目標の諦めと自己成長感の関連性に関する研究

研究内容 :大きな目標を達成した際には達成感や嬉しさだけでなく,自分が「成長した」という感覚を得られることがある。また,こうした成長感は別の目標追求にも大きな影響を及ぼすと考えられている。一方で,目標の達成を諦めてしまったときには何も得られないのだろうか。私は,目標を諦めてしまった後にどのようにすれば「成長した」という感覚を得られ,諦めてしまった後でも別の目標追求を成功させることができるのか?という点をリサーチクエスチョンに設定した上で,基礎的な関係性やメカニズムの検討などの研究を進めている。


研究業績 :

(第2著者以降)

外山 美樹・清水 登大・長村 圭吾 (印刷中). 目標追求時の困難な経験に対する信念尺度の発 心理学研究


学会発表(筆頭発表のみ)

・長村 圭吾・外山 美樹 (2023). 目標を諦めるかどうか迷ったとき,人はどうするべきか?―対処方略尺度の作成を目指して― 日本青年心理学会第31回大会発表論文集, p59. (2023年11月18-19日)

・長村 圭吾・清水 登大・外山 美樹 (2023). 人は目標追求時の困難な経験をどう捉えているのか(2)―目標の達成が困難になった際の対処方略に着目して― 日本心理学会第87回大会発表抄録集, 1A-082-PM.(2023年9月15-17日)

・長村 圭吾・月元 敬 (2022). Instgramの「いいね」は本当に「良い」のか ―SNS利用における社会的比較志向性の影響― 日本心理学会第86回大会発表抄録集, 1EV-017-PC.(2022年9月8-11日)


受賞歴

・筑波大学大学院人間総合科学学術院長賞(2024年3月)

 

研究助成など

・つくばスカラシップ研究奨励奨学金(2024年3月)


教育歴:専門学校『臨床心理学』


所属学会:日本心理学会,日本教育心理学会,日本パーソナリティ心理学会,日本青年心理学会


連絡先:s2430322(at)u.tsukuba.ac.jp ※(at)を@に置き換えてください。 

→何かございましたらいつでもご連絡ください!

尾崎 幸平(D1)

研究テーマ創造的自己効力感の先行要因に関する研究 

研究内容 :創造的自己効力感(Creative self-efficacy)とは,創造性(独創的なアイデア等を生み出す能力)に関する自信を示す概念である。創造的自己効力感は,社会や日常生活の発展に必要な創造的パフォーマンス,及びその原動力とされる努力を促進することが示されている。一方,自己効力感研究を応用した創造的自己効力感の先行要因に関する検討は少ない。そこで,自己効力感研究を元に,創造的自己効力感に対する成功(失敗)体験や過去経験の効果を検証する。また,成功(失敗)体験や過去経験が創造的自己効力感を媒介して,努力及び創造的パフォーマンスに与える影響を検証する。 


研究業績 :


松本 (M2

研究テーマ知的謙虚さと学習の相互関係に関する研究  

研究内容 :知的謙虚さ(Intellectual Humility)には様々な定義が存在するが、一般には自らの知的限界(例:無知、誤る可能性)を認めることと、他者の知を尊重することに特徴づけられる特性とされている。哲学領域で、知的謙虚さは学びに利益をもたらし、逆に学びを通じて育まれると理論化されているが、実証的にはこの相互関係はほとんど検討されていない。そこで私は、知的謙虚さと学習行動の相互関係について、特に学習方略やエンゲージメントに注目して検討したいと考えている。また、学習行動との関連でこれまで教育領域で重要視されてきた自己効力感と知的謙虚さの関係についても併せて検討したいと考えている。  

研究業績 :


村山 士竜(M2

研究テーマメタ動機づけに関する研究   

研究内容 :メタ動機づけとは,自己の動機づけに対する認知であり,メタ認知の一種である。先行研究では,制御焦点理論や解釈レベル理論といった既存の動機づけに関する理論について,一般的に人が正確な知識を持つかどうか検討されてきた。一方で,そうしたメタ動機づけ的知識を持つ人と持たない人の違いや,その知識の現実場面での活用状況やその有効性についてはあまり検討されていない。そこで,私はメタ動機づけ的知識の形成から,現実場面での活用に至るメカニズムや,その個人差要因について研究することで,メタ動機づけ的知識そのものの有効性を明らかにするとともに,メタ動機づけ的知識の形成の促す介入の有効性についても検討したいと考えている。  

研究業績 :


丸山 裕輝(M2)

研究テーマ人々の障害者への態度形成の研究    

研究内容 :態度とは,一つの定義として,認知的・感情的・行動的という3つの成分を持ち,ポジティブあるいはネガティブな評価を持つ行動を予測・説明する心理的構成概念である。差別の解消やインクルージョンの達成のため,障害者に対してポジティブな態度を形成することは重要である。先行研究では障害者への態度に影響する変数として,接触経験,障害に関する知識,性別などの要因が検討されている。しかし,Allport以来,パーソナリティが態度に影響することは指摘されており,障害者への態度の研究ではそれが軽視されてきたという感が否めない。私の研究ではパーソナリティも含め,上記全ての変数をそれぞれ統制しながらその影響を検討したいと考えている。   

研究業績 :


高橋 弘文(M1

研究テーマ糖尿病の療養動機に関する研究     

研究内容 :糖尿病患者の療養生活は必ずしも順調ではない。病院の管理栄養士として,特に食事療法が実践出来ない症例を多く経験し,適切な療養生活への動機づけは糖尿病治療において重要であると考える。療養動機が患者の血糖変動などの客観的評価項目にどのように影響するかを調査し,また療養動機に影響する要因を探索し,最終的には療養動機を高める方法を模索したい。    

研究業績 :


河辺 優菜(M1)

研究テーマ先延ばしに関する研究   

研究内容 :先延ばし(procrastination)とは,やらなければいけないことを,悪影響があると分かっているのに,自分で遅らせることである。先延ばしは健康や学業に悪影響を及ぼすと考えられ,問題性のあるものについては低減させることが望ましい。私は,その介入法として解釈レベル(物事の解釈の抽象度)の操作に着目する。これは先延ばしに近い領域であるセルフコントロールを高める方法として挙げられている。今後の研究では解釈レベルの操作が先延ばしに与える効果を検討したい。  

研究業績 :


研究生>

伊藤康一郎研究生

研究テーマ 子どもに対する動機づけについての研究